にある。
最近は依頼者の着手金を横領したり、多重債務整理を謳う闇金業
者と結託し処分を受ける悪徳弁護士も目立ち、特に「提携弁護士」
と呼ばれる闇金融や事件屋と手を結ぶ弁護士が増えている。
よく「あなたの借金を一本化します」といった広告を掲げた整理屋
と呼ばれる金融業者がいます。多重債務で困っている人に借金をま
とめて返済を楽にしてあげると誘いをかけ、実際には返済金をピン
ハネしたり、返済金を着服したり。ただし、債務整理の交渉は法律
で弁護士しか許されていないため整理屋は弁護士を雇うわけです。
それが提携弁護士で実際には名義のみ貸している例も少なくない。
中には弁護士の名前を自由に使わせる代わりに、整理屋グル－プか
ら事務所や職員を丸抱えしてもらい債務整理を行っていた弁護士も
いる。つまり、本物の弁護士が出てきたから安心、というわけでは
ないのです。
戸籍横流しで数百万円の荒稼ぎどうしてこんな弁護士が増えたのかというと、バブルの後遺症が
大きな原因です。
バブル時代の弁護士をたとえれば、値札の出ていない高級寿司店の
ようなもの。企業も湯水のように弁護士費用を払いました。
弁護士費用は争いごとの値段によって決まります。バブル時の不動
産価格は常軌を逸していたので、不動産をめぐる事件の弁護士費用
も常軌を逸していました。そうした金をもとに投資に手を出した弁
護士も少なくありません。
ところが、バブル崩壊。企業も弁護士費用を抑えるようになり、そ
の一方で投資が焦げ付いたりした。そうした背景もあって金銭トラ
ブルを起こす弁護士も増えたんです。
企業の破産申立は金儲けだけを考えている弁護士にとっては、最
も喜ばしい案件です。弁護士費用に関して明確なル－ルがなく高額
な費用を請求できる割に仕事が定型的です。俗にいう割のいい仕事
です。
また、管財人が不動産を売却するとします。多数の業者が購入を希
望します。その時、業者はとにかく管財人とパ－トナ－になりたが
るので当然リベ－トの話が出てきます。
さらに、弁護士の特権を利用した悪事も後をたたない。最近では
テレビ局の依頼によって有名俳優や歌手などの芸能人の戸籍や住民
票の調査、取得を行い、弁護士会の綱紀委員会から懲戒相当である
旨の調査結果を受けた弁護士もいる。
興信所などと組み、戸籍取りのアルバイトをする弁護士は確かにい
ます。
弁護士は職務上の請求といい、書類１枚で他人の戸籍謄本なり抄
本を自由に取得できます。
弁護士はその用紙を１枚７円で買えるのですが、興信所に横流しす
ればその１枚が３万円ほどになる。こうした用紙が１冊５０枚つづ
りで３５０円で買えるので、数百円が瞬く間に数百万円単位の金額
になるわけです。
「オフィスが華美」「派手な広告」は要注意そこで、依頼すべき弁護士と避けるべき弁護士の見分け方のアド
バイスをしましょう。
①まず、オフィスを見ること
過度に華美であったり、また逆に過度に質素なのは要注意。
華美な方は説明不要でしょうが、若手か引退間際でもないのに小汚
い事務所の場合は、仕事がうまくいっておらず経済的に窮している
可能性が高い。
②明確な弁護士費用の説明があるか
料金について詳細な説明がない弁護士は避けるべきです。
③着手金と報酬の比率は３：７
裁判で勝っても負けても弁護士の収入となる着手金狙いの弁護士
がいます。着手金の比率の高いのは要注意。
④派手な広告は要注意
こうした弁護士には提携弁護士が少なくありません。
ただ、もちろん逮捕されたり懲戒対象になる悪徳弁護士はごく一
部でしかありません。多くの弁護士はコツコツと仕事をしており、
依頼人に対して誠実に対応しているのも事実です。
